バッテリーの熱対策が重要になっている背景
EV(電気自動車)や定置用蓄電システム(ESS)の普及で、リチウムイオン電池を高密度に詰め込んだパックが増えています。エネルギー密度が上がるほど、発熱や万一の熱暴走(サーマルランナウェイ)への備えが重要になります。安全規格や車両側の要求も年々厳しくなっており、パック設計における熱・断熱対策は避けて通れないテーマです。
セル間の断熱|熱暴走の延焼(プロパゲーション)を遅らせる

1つのセルが熱暴走に至ったとき、その熱が隣のセルへ次々と伝わって連鎖する現象を「熱暴走の延焼(プロパゲーション)」と呼びます。これを遅らせる・食い止めるために、セルとセルの間に薄い断熱材を挟む設計が広がっています。
ここで求められるのは、限られた隙間に入る「薄さ」と、高温・火炎にさらされても崩れない「耐熱性」、そして電気を通さない「絶縁性」の両立です。瞬間的な高温に耐えつつ、平常時はできるだけ薄く軽く、というシビアな要求になります。
パック蓋・カバーの耐熱|飛炎・高温ガス対策
万一の際に噴出する高温ガスや火炎から、パックの蓋・カバーや周辺部品を守る耐熱材のニーズもあります。筐体の内張りやカバー材として、耐熱・遮炎・断熱を担うシート材が使われます。
バッテリー向け断熱・耐熱材に求められる条件

- 薄さ:セル間・限られたスペースに収まる薄型設計
- 軽さ:量産に向く軽量性と打抜き・組付けの加工性
- 耐熱性:熱暴走時の高温・火炎に対する耐性
- クッション性:充放電で膨張・収縮する電池セルの動き(呼吸)に、紙ならではの柔らかさで追従し、密着し続けること
材料の選択肢と「抄造」のメリット

マイカ、無機繊維、無機粉体などを主体とした薄いシート材が候補になります。抄造は、配合を調整して耐熱・断熱・絶縁のバランスを設計しやすく、厚みも薄物から作り分けられるのが強み。市販の汎用材で寸法・性能が合わない場合でも、配合から専用グレードを検討できます。
セキネシール工業の対応
セキネシール工業は、和紙の抄造技術を礎に、特殊耐熱繊維・ガラス繊維・無機材料を用いた機能紙を一貫開発してきました。0.075mmの薄物から作り分けられる抄造技術と、配合・含浸・表面処理・打抜きまでの一貫体制で、バッテリーまわりの「薄く・耐熱・絶縁」という難しい要求に試作から向き合います。特に、紙ならではの柔らかさで電池セルの膨張・収縮(呼吸)に追従するクッション性、薄さ、そして熱伝導率については、お客様からも高い評価をいただいているポイントです。
📩 お問い合わせ
「セル間に入る薄い断熱・絶縁材を探している」「パック蓋の耐熱材を試作したい」など、用途と要求条件(温度・厚み・絶縁)を教えてください。守秘に配慮しつつ、最適な素材系と試作の進め方をご提案します。