試作相談の精度は「事前準備」で決まる
ガスケットの試作は、設計担当者と材料メーカーのキャッチボールです。事前情報が薄いと、メーカー側は無難な汎用品しか提案できず、結果的に「試作したけど性能が足りない」「量産で別物になる」という失敗を招きます。逆に、情報が揃っていれば、配合・厚みまで含めた最適解が一発で出てきます。
なお、セキネシール工業はガスケット材(素材)のメーカーです。図面化や部品形状への加工は加工先・お客様側と分業しているため、材料選定にあたっては図面そのものよりも「どんな条件で使うか(用途・流体・温度・圧力・既存グレード)」の情報が重要になります。本記事では、その観点で揃えておきたい情報を整理します。
材料選定に必要な情報(チェックリスト)

① 使用部位・用途
どの装置のどの部位か(例:4気筒ガソリンエンジンのオイルパン)。機械全体の中での役割(密封/防振/絶縁)。
② シール対象の流体
水・海水・油類(潤滑油・燃料油・LLC)・蒸気・空気・薬液・ガスの種類。化学物質の組成、異物侵入防止が目的ならその種類・粒径。
③ 使用環境(温度・圧力)
常用/最高/最低温度、常用/最高圧力、温度・圧力サイクルの有無、屋内/屋外/粉塵環境。
④ 既存材料・代替の理由
現状の材料(メーカー・グレード番号)、不具合の有無(漏れ・固着・硬化・変形)、代替検討の理由(コスト・環境配慮・改良など)。素材メーカーにとっては、ここが最重要級の手がかりです。
⑤ 必要な厚み・おおよその寸法
厚みは材料選定に直結します。内外径・ボルト位置などの概寸が分かれば十分で、詳細な図面(DXF/STEP)は部品加工先向けのもので、材料選定の必須条件ではありません。「現物に合う材料を探したい」段階でもご相談ください。
⑥ フランジ・相手面
材質(鋳鉄・アルミ・ステンレス・樹脂)、表面粗さ(Ra)、平面度、締付トルク/面圧の設計値があれば。
⑦ 数量・納期
素材としての必要枚数(MIN10枚〜)、量産展望(年間数量・国内外)、希望納期。
あれば差がつく+α情報
業界規格:JIS B 2404、JIS B 0116、IATF 16949、PPAP など
化学物質規制:REACH、RoHS、ELV、特定材質禁止
環境配慮要件:リサイクル材使用、生分解性、ノンアスベスト
梱包・出荷形態:1枚梱包/積層/真空パック/ロール
よくある不足情報と、その影響

試作相談の理想的な流れ

流れは次の7ステップです。
- 1. 問い合わせ(チェックリストを埋めてフォーム送信)
- 2. メーカー側の初期提案(候補グレード・厚み)
- 3. サンプル送付・評価(実機評価、社内試験)
- 4. 配合・厚みのカスタム検討(必要に応じて専用グレードを抄造)
- 5. 小ロット試作品納品(実機搭載・耐久試験)
- 6. 量産PPAP/品質書類整備
- 7. 量産開始
このサイクルを短く回すには、最初の情報共有がすべての起点となります。
セキネシール工業の試作相談プロセス
セキネシール工業では、問い合わせ受付から技術提案まで一気通貫でご対応します。
- 営業・技術が同席してオンライン/対面ミーティング
- 既存品(他社含む)からの置き換え検討用サンプルを送付
- 必要に応じて専用配合の試作(ビーターシート、オイルシート、シスコメタル等)
- 自社設備での圧縮率・応力緩和率・引張強さ・エアシール性測定
- 工場見学・実機立ち会いも可能
埼玉県小川町の本社・山崎工場には、抄紙設備、含浸・表面処理設備、評価試験室が揃い、材料の開発から量産供給までワンストップで対応します。
試作相談前のセルフチェック
下記が「Yes」になったら、お気軽にご連絡ください。
- 用途と部位を文章で説明できる
- 流体・温度・圧力(最大値)が分かる
- 必要な厚み・おおよそのサイズが分かる
- 既存材料があればそのグレードが分かる
- 必要枚数・納期の希望がある
「Yes」が3つ以上揃えば、初回相談で具体的な材料提案が可能です。
📩 お問い合わせ
「いきなり試作依頼はハードルが高い」「まずは情報整理から手伝ってほしい」――そんな段階でも構いません。上のチェックリストにそって使用条件をお知らせいただければ、最適な材料・厚み・グレードをご提案します。1300年続く抄造の伝統と、自動車・建機OEMで鍛えられた品質保証体制で、貴社の材料選定を支援します。